8月19日、IAIスタジアム日本平でJ2リーグ3位・エスパルスと首位・町田との一戦が行われました。共に3連勝同士と上昇気流に乗るチーム同士の天王山となりましたが、エスパルスとしては町田より1試合少ない中で勝点11差と、優勝のためには勝利が必須条件となります。
エスパルスのスタメンは静岡県出身選手がゼロ、FW北川航也選手(静岡市出身)はベンチ外と非常に寂しい状況でしたが、DF吉田選手、MF西澤選手、宮本選手がベンチから見守ります。
試合は開始早々に動きます。前半4分、左サイドから町田DF鈴木準也選手(静岡県藤枝市出身)が右足でゴール前にクロスを上げると、町田MF松井選手と山原選手が交錯したこぼれ球を、元清水の町田MF高橋大悟選手が蹴り込み先制を許します。
その後も町田は得意のインテンシティの高いプレスでエスパルスの選手に自由を与えません。前半17分にはGK権田選手のパントキックを町田FW藤尾選手がアフター気味に止めたファウルをきっかけに、両チームがもみ合いとなります。MFホナウド選手が町田FWエリキ選手を両手で小突いてイエローカードをもらうなど、一触即発の雰囲気で試合は進みます。
そして前半23分、右サイドからのクロスにエリキ選手が合わせて痛恨の2失点目を喫し、絶対絶命の状況に追い込まれました。前半38分にはイエローカードを受けた乾選手が審判に猛抗議するなど、エスパルスに不穏な雰囲気が立ち込めます。
しかしこのまま前半終了と思われた44分、セットプレーの流れからGKがはじいたボールをカルリーニョス・ジュニオ選手が冷静に押し込み1点を返します。前半の内に1点を返したのは非常に大きかったです。
後半はエスパルスが徐々にペースを握り、55分には山原に代えて左サイドバックに吉田豊選手(静岡県富士宮市出身)がイン。魂のこもったプレーでチームを鼓舞します。すると、61分、自陣でボールを受けた乾選手が巧みな体の使い方から中央をするすると持ち上がり右足を振り抜くと、ボールは町田DFの足に当たり、緩やかに放物線を描いたボールはゴールに吸い込まれました。
試合を決める1点がほしいエスパルスは81分、得点を決めたカルリーニョス選手、乾選手に代えてMF西澤健太選手(静岡県静岡市出身)とMF宮本航汰選手(静岡県静岡市出身)を投入。直後の83分に試合が動きます。右サイドでボールをつないで西澤選手が良い位置で受けると、スピード、精度ともに完璧なクロス。エースのチアゴ・サンタナ選手がこれまでのうっ憤を晴らすかのごとく、強烈なヘディングシュートをゴールネットに突き刺しました。サポーターは総立ちになり、スタジアムが震えたのを強く覚えています。ここ数年でスタジアム観戦した中でも最高の試合となりました。
首位町田とは、エスパルスの方が1試合少ない中で勝ち点8差とまだまだありますが、優勝に向けて絶対落とせない試合を劇的な逆転勝利したのは逆転優勝に向けてもこの上ないはずみになったことは間違いありません。
次節以降も1戦必勝で、優勝とJ1昇格に向けてがんばってほしいです。
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