【優勝候補分析・本命編】インターハイサッカー2023 青森山田・静岡学園

2023インターハイ

今年も激戦が予想されるインターハイサッカー。客観的なデータも参考にしながら、優勝候補チームの戦力分析をしました。

インターハイサッカー2023 優勝候補・本命2校

・青森山田高校(青森県代表)

・静岡学園高校(静岡県代表)

青森山田高校(青森県代表)

近年の高校サッカー界で絶対的王者として君臨する青森山田高校。今大会も優勝候補筆頭と言っていいと思います。

その証拠に日本最高峰のプレミアリーグEASTで首位を快走しています(7月7日時点)。名将・黒田剛総監督が勇退(J2のFC町田ゼルビアの監督に就任)し、どうなるか注目していましたが、正木昌宣監督がここまで素晴らしい結果を残しています。

最大の強みは主将のDF山本虎(やまもと とら)選手(3年)DF小泉佳絃(こいずみ かいと)選手(3年)の両CBを中心とした守備の堅牢さで、プレミアWESTでは最少失点(9失点)、インハイ青森県予選ではなんと全試合無失点でした。また、この2人を中心に、セットプレーの高さも脅威になります。

前線ではプレミアWESTで得点ランク首位(10得点)に立つFW米谷壮史(よねや そうじ)選手(3年)が得点源。元々トップ下の選手で前線でタメを作るのが得意なうえ、フィジカルとゴール前での冷静さに磨きをかけ、県予選決勝でもゴールをあげるなどエース級の活躍を見せています。

そして伝統の10番を背負うのは、昨年からのレギュラーであるMF芝田玲(しばた れい)選手(3年)。球際の強さをベースに、攻守の切り替えのスイッチ役となり、チームを落ち着かせることができる頼れるボランチです。

例年に比べると絶対的な選手はいない印象ですが、チーム全体の強度の高さや勝負強さは、優勝候補筆頭にふさわしいチームと言えると思います。

静岡学園高校(静岡県代表)

日本最高峰のプレミアリーグWESTでJユースを抑えて首位に立っており(7月7日時点)、個人的な主観を抜きにしても優勝候補の本命と言って差し支えないと思います。

ショートパスとドリブルによる伝統のラテンサッカーは健在で、今年はそれに加えて攻守に絶対的な柱がいるのが強みです。

守りの柱はGK中村圭佑(なかむら けいすけ)選手(3年)。各世代のアンダー代表の常連でもあり、高校No.1GKと言っていいと思います。187cmの体格でハイボールに強く、学園の選手らしく足元の技術も高いです。学年を重ねて1対1やリーダーシップにも磨きがかかってきました。

攻撃の柱はこちらもU-18日本代表候補の神田奏真(かんだ そうま)選手(3年)。177cmとそこまで上背はありませんが、抜群の身体能力を持ち、体に「無理が効く」印象があります。

この2人のポテンシャルが存分に発揮されたのが、大苦戦を強いられたインハイ県予選決勝・清水桜ヶ丘戦。1−0と先制された後半に、GK中村が神がかり的なスーパーセーブで追加点を阻止すると、このまま試合終了と思われた後半ロスタイム、神田の超絶ゴールが飛び出しました。センターライン付近からロングボールがゴール前に蹴り込まれると、競り合ってきた相手CBを抑えた神田が、ヘディングではなくまさかの胸トラップ。ボールの落ち際を右足ダイレクトで振り抜き、劇的な同点ゴールを叩き込みました。続く延長前半1分、ゴールを背にしてボールを受けた神田が、反転しながら横への力強いドリブルでDF2人を振り切り、ファーサイドのゴールネットに沈めて逆転勝ちを収めました。

そして今年の「学園の10番」を背負うのは、MF高田 優(たかだ ゆう)選手(3年)。過去2年の10番(昨年の高橋隆大選手、一昨年の古川陽介選手)は典型的なドリブラーでしたが、高田選手はやや低い位置でより多くボールを触ってリズムを作るタイプです。ボールを運びながら絶妙のスルーパスを繰り出し、1対1になればトリッキーなフェイントで相手を翻弄する、観ていて楽しい選手です。まだやや線が細く、インテンシティの高い試合だと消えてしまう時間帯もあるのが課題ですが、フィジカルを付けていけばより怖い選手に進化すると思います。

ボランチのMF福地瑠伊(ふくち るい)選手(3年)はスケールの大きいボランチ。180cmと恵まれた体格を活かしてボールを奪取し、長短織り交ぜたパスでゲームメイクにメリハリを与えられる選手です。前述のインハイ県予選決勝でも、苦しい時間にも足を止めることなくピッチの至るところに顔を出し、延長前半の神田の決勝ゴールを1タッチパスでアシストしました。今年はボランチからポジションを1つ上げてより攻撃の意識を高めており、前への迫力や得点力が増せばプロ入りも見えてくると思います。

静岡学園は相手がどこであろうと自分達で繋ぐサッカーを貫くポリシーがあり、研究もされやすいため勝ち抜くのは容易ではありません。が、その対策をも上回るクオリティを発揮できれば、静岡県勢27年ぶりの優勝を掴むことができると思います。

まとめ

インターハイサッカー2023の本命予想は、ユース年代日本最高峰のプレミアリーグのEASTとWESTでそれぞれ首位に立つ青森山田高校(青森県)と静岡学園高校(静岡県)の2校としました。

順当に勝ち上がると、早くも3回戦で相まみえることになり、この勝敗が、大会の行方を左右する大一番となりそうです。

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