1月2日、第103回全国高校サッカー選手権の3回戦が行われ、静岡県代表・静岡学園は山口県代表・高川学園に2−0で勝利し、ベスト8入りと準々決勝進出を決めました。
第103回(2024年度)全国高校サッカー選手権 3回戦
静岡学園 2―0 高川学園
得点:(静)加藤(乾)、篠塚(鵜澤)
静岡学園のスタメンは、1・2回戦から3人を入れ替えてきました。両サイドバックの望月、土田に代えて、野田と鵜澤を起用。ここまで後半から途中出場していたケガ明けの主力2人が、満を持して先発に入りました。前線には、左ウイングに加藤が入り、原が右に回りました。個人的には、この11人が現時点でのベストメンバーだと思います。
試合は両チームとも比較的落ち着いた入りを見せます。高川学園がハードなプレスを掛けて来ましたが、静岡学園は前の試合の高知戦を経験したことで、冷静に対処できている印象でした。
前半8分には、左サイドで得た鵜澤のフリーキックから、ゴール前の岩田が合わせますがボールは相手GKの正面へ。前半12分には鵜澤のドリブルを止めた高川学園が、速攻から強烈なシュートを打ちますが、ここは有竹が左手でディフレクティング。これで得たコーナーキックで、必殺のトルメンタを発動させますが、静岡学園も慌てることなく対処します。
前半17分には右サイドバックの野田のクロスから、相手ディフェンスがヘディングでクリアしたところを乾がダイレクトで合わせますが、シュートは枠を大きく外します。
前半24分には右サイドの原がスピードで2人を振り切り、グラウンダークロスから逆サイドの加藤がシュートを放ちますが、うまくミートできず得点には至らず。
さらに前半37分にも原の突破からのクロスのこぼれ球に、アンカーの堀川が反応してシュートを放ちますが、ボールは枠を大きく外れます。
前半ロスタイムには篠塚のスルーパスに原がシュートを放ちますが左に外れます。原は2回戦の高知戦の後半は相手ディフェンスの激しい守備に完全に潰されてしまっていましたが、この試合はスピードで先手を打てていました。
このまま前半はスコアレスで終了。シュート数は7−1と静岡学園が圧倒しましたが、そこまでの決定機はなく、お互いにある程度想定内の展開の中、後半勝負となりました。
迎えた後半4分、相手の放り込みを堀川がヘディングでクリアしたボールを、加藤が前にいる乾にダイレクトで当てると、乾もダイレクトで加藤に返し、ワンツーの形で加藤が縦突破。スピードで相手ディフェンスを振り切ると、前に出てきたゴールキーパーを鮮やかにかわして左足で流し込み、待望の先制点を挙げます。今大会初先発となった加藤が見事なゴールで起用に応えました。
その後は拮抗した展開が続き、後半14分、高川学園は右サイドから絶妙なクロスを配給し、中央で合わせますが、ここは有竹がきっちりと反応します。
後半20分には左サイドの鵜澤が、フェイクで2人をかわして中央の篠塚にクロスをあげますが、惜しくも合わず。後半24分にも左サイドの鵜澤から、中央の天野にスルーパスを入れますが惜しくも合いません。直後に堀川から中央に絞っていた原に絶妙なスルーパスが入りましたがファーストタッチで詰まってしまい、決定機とはならず。続けざまに左サイドの鵜澤がキックフェイントから1人をかわしてクロス。中央の原が合わせますが相手GKが弾き出します。
攻め続けながら追加点が奪えない、嫌な展開の後半27分、高川学園が右サイドからピンポイントクロスを送り込み、フリーでヘディングを放ちますが、枠を外して救われます。
迎えた後半37分、左サイドでボールを受けた加藤が、ディフェンス2人をかわして3人目を抜きにかかったところでPKを獲得。このPKを自ら蹴った加藤でしたが、力んだのかフルスイングしたキックはバーを直撃。決めれば試合が決まったところを決めきれず、さらに嫌な雰囲気が漂います。
しかしこの空気を打破したのはまたしても篠塚でした。後半40分、左サイドバックの鵜澤が中央に切れ込んで絶妙なスルーパスを送ると、篠塚が相手キーパーの1番取りづらい肩越しに浮かせる技ありのシュートで追加点。この試合はミスも散見し決して出来が良くなかった篠塚が、試合終盤に決定的な仕事をしました。
試合はこのまま2−0で終了。静岡学園がさすがの試合運びで見事勝利し、ベスト16入りと準々決勝進出を決めました。
3回戦ともなると終始静岡学園ペースとはいかない中で、原やスタメン入りした加藤と鵜澤、そして篠塚が決定的な仕事をしたのはさすがでした。ディフェンスはここまで無失点ですが、盤石というわけではなく、特にサイドを突かれて決定的なシーンを作られていますが、有竹の好セーブや相手のミスに救われている印象です。あとはボランチ・堀川とディフェンスリーダー・岩田の抜群の読みによるインターセプトで、ピンチを未然に防いでいるのも大きいと思います。この試合で懸念をあげるとすると、1トップの乾が潰されてポストになり切れないシーンが多かった点と、主将の野田は本人の言う通りまだ万全ではない感じで、特に後半はほとんど見せ場がなかったところです。
準々決勝の相手は、福岡県代表・東福岡となりました。静岡学園と同じく日本最高峰のプレミアリーグWESTに所属し、今期の対戦成績は1分1敗です。言うまでもなくこれまでの対戦相手と比べて確実に一段上のレベルの相手となりますが、静岡学園もプレミアリーグで対戦した時よりも戦力アップしているので、ぜひ真っ向勝負で勝利し、国立行きを決めてほしいです。
準々決勝は1月4日の14時10分にキックオフされます。
コメント