過去の静岡県高校サッカーの名勝負を掲載していきます。今回は1997年の全国高校サッカー選手権大会の県予選決勝です。この世代は、後の2000年ワールドユースでも史上初の準優勝を成し遂げた、いわゆる「黄金世代」です。静岡県内にも、清水東高校にFW高原直泰、清水商業高校にMF小野伸二と、後の日本代表で中核を担うスーパースターがいましたが、決勝は13年ぶりの優勝を目指す名門・藤枝東高校と、3年連続の全国出場を目指す静岡学園の対決になりました。
第76回全国高校サッカー選手権大会 静岡県地区予選決勝 概要
■対戦カード
藤枝東高校 – 静岡学園高校
■日時
1997(平成9年)11月16日 13時15分キックオフ
■場所
草薙陸上競技場
藤枝東高校スタメン/途中出場選手
GK 大塚 智紀(2年)
DF 鷲巣 延圭(2年)
横山 健二(3年)
小沢 征敏(3年)
石川 竜也(3年)
MF 小杉 哲也(1年)
太田 真嗣(2年)
→84分 安藤 豊(3年)
佐賀 一平(2年)
青嶋 晶(3年)
FW 河村 優(2年)
藤浦 康二(3年)
→55分 土屋 悠哉(2年)
→91分 小長谷 太作(2年)
静岡学園高校スタメン/途中出場選手
GK 南 雄太
DF 松田 和之
大橋 泰介
田辺 俊哉
MF 鈴木 亮
小池 良平
半田 幾也
→54分 杉山 研
大石 鉄也
渡辺 誠
FW 菅原 太郎
渡辺 敬介
→73分 谷沢 孝典
→85分 板野 亮太郎
試合経過
前半は一進一退の攻防が続き、このまま前半終了と思われた39分、静岡学園のMF大石鉄也(3年・静岡県焼津市(旧大井川町)出身)が、左サイドから得意のドリブルで中央にカットイン。鋭く右足を振り抜くと、ニアサイドのバーをかすめて待望の先制点を挙げ、静学のリードで前半を終えました。
後半に入ると、やや試合が膠着しますが、61分に左サイドのMF佐賀一平(2年・北海道出身)から絶妙なロビングパスがゴール前に放り込まれると、FW河村優(2年・静岡県焼津市(旧大井川町)出身)が絶妙な身のこなしから前を向き、シュート。右サイドネットを揺らしました。
スコアは1−1のまま延長に入ると、85分、この日は途中からの出場となったMF土屋悠哉(2年・静岡県藤枝市出身)が右サイドを突破しクロスをあげると、中央にいた河村がボレーを試みますが、うまくミートせずボールが浮きます。このボールを河村が自らオーバーヘッドでゴール上隅に蹴り込み、勝ち越しに成功しました。
さらにその2分後にも、前がかりになった静学のスペースを突くと、左サイドのMF佐賀からフリーの右サイドバックDF鷲巣延圭(2年・静岡県静岡市出身)に絶妙なパス。フリーの鷲巣が冷静にゴール左隅に流し込み、3−1とします。
ここから静岡学園も意地を見せます。92分、サイドからのクロスを藤枝東ディフェンスがヘディングでクリアしたボールを、MF小池良平(2年・静岡県静岡市出身)がダイレクトで合わせると、ゴール前の静学の選手がスルーし、ボールはそのままネットに吸い込まれました。
試合結果
藤枝東高校 3 ー 2 静岡学園高校
0−1 大石鉄也(39分)
1−1 河村 優(61分、佐賀)
2−1 河村 優(85分、土屋)
3−1 鷲巣延圭(87分、佐賀)
3−2 小池良平(92分)
まとめ
互いに持ち味を存分に出し、点を取り合う手に汗握る試合となりました。最後は静学GK南雄太(3年・東京都出身)もゴール前に上がって捨て身の猛攻をしますが、藤枝東が体を張って守り切り、優勝。中山雅史が2年次以来の、13年ぶり(19回目)の全国出場を成し遂げました。
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