【優勝候補分析・対抗編②】2023インターハイサッカー 大津・尚志

2023インターハイ

2023インターハイサッカー 優勝候補・対抗4校

2023インターハイサッカー 優勝候補の本命2校(青森山田高校、静岡学園高校)に続く対抗格は、以下の4校と予想しました。今回は熊本県代表・大津高校と、福島県代表・尚志高校の2校を紹介します。

・市立船橋高校(千葉県代表)

・神村学園高校(鹿児島県代表)

・大津高校(熊本県代表)

・尚志高校(福島県代表)

大津高校(熊本県代表)

昨年のインターハイはベスト8、冬の選手権は昨年準優勝、今年はベスト4と、全国大会でも抜群の安定感を誇る大津高校。「公立の雄」として、その存在感は際立っています。

昨年までの絶対的なセンターフォワード・小林俊英選手(筑波大)が抜け、得点力を不安視される部分もありましたが、それを払拭したのが昨年はセンターバックとして活躍したMF碇 明日麻(いかり あすま)選手(3年)です。186cmと恵まれた体格で、空中戦では圧倒的な強さを誇り、加えて正確な技術と判断力を併せ持つため、どのポジションでも完璧にこなすことができます。その証拠に、1年時はセンターフォワードとボランチ、昨年はセンターバック、今年はボランチ、トップ下とあらゆるポジションを務めてきました。そして今シーズン、前目のポジションで起用されたことで得点力が開花。ここまでプレミアリーグWESTで得点ランク単独トップの13得点(7月9日現在)と、底知れぬ潜在能力を見せています。

左サイドバックのU-17日本高校選抜・DF田辺幸久(たなべ よしひさ)選手(3年)は、180cmの高さとスピードを持ち、ダイナミックな攻め上がりと守備面での強さを併せ持つ総合力の高い選手。インハイ予選直前に最愛の母が亡くなるという辛すぎる現実がありながらも、気丈に戦い抜いて全国切符を手にしました。全国制覇に向けても並々ならぬ思いがあるはずです。

碇、田辺以外は昨年度のレギュラーから大きく入れ替わる中で、FW稲田 翼(いなだ つばさ)選手(3年)がアタッカーの軸として台頭してきました。1試合を通じてハードワークを続けられる献身性、スタミナに加え、インハイ県予選準決勝では値千金の決勝ゴールをあげるなど、勝負強さも増しています。

プレミアリーグWESTでも中位につけるなどチームとしての完成度は高く、過去の例を見ても大会を通じて成長をしていくイメージのある大津高校。初戦となる2回戦で早くも対戦する可能性の高い市立船橋高校戦は、インハイ序盤の最注目の試合となりそうです。

尚志高校(福島県代表)

13大会連続で出場を決めた尚志高校。今シーズン昇格したプレミアリーグEASTで3位(7月12日時点)に付けるなど、右肩上がりのパフォーマンスを発揮しています。

ディフェンスの中心はU-17日本高校選抜の選出歴もあるDF市川和弥(いちかわ かずや)選手(3年)。179cmとセンターバックとしては上背があるとは言えませんが、地上戦、空中戦ともに安定した一対一の強さを誇ります。また、左足のキック精度は非常に高く、ボールを保持するスタイルの尚志の攻撃の起点としても重要な役割を担っています。

U-19日本代表のMF神田拓人(かんだ ひろと)選手(3年)は、予測能力が高く、素早い寄せからのボール奪取やインターセプトが持ち味。無尽蔵の運動量も持ち、元フランス代表のマケレレ選手を彷彿させますが、本人は、より攻撃面でも持ち味を発揮する同じく元フランス代表のヴィエラ選手を目標とするプレイヤーにあげ、オフェンス能力にも磨きを掛けています。

エースストライカーは、U-18日本代表候補のFW網代陽勇(あじろ ひゆう)選手(3年)。基本技術が高く、ポストプレーで起点となるだけでなく、下がってボールを受けてさばくことができる万能型プレイヤーです。プレミアリーグでは貢献度は高いものの得点を伸ばすことはできていませんでしたが、苦戦を強いられたインハイ県予選の準決勝で、0-0の均衡を破ったのは網代選手でした。延長前半、左サイドからのクロスを打点の高いヘッドでねじ込み、エースの責任を果たしました。

U-19日本代表MF安齋悠人(あんざい ゆうと)選手(3年)は、日本代表・三苫選手を目標とする快速ドリブラーです。相手を置き去りにする急激な加速と細かいステップによるドリブルに加え、元々ボランチだっただけに試合を読む力も持ち、周囲との連携で相手を崩すこともできます。この安齋選手をスーパーサブに温存できるところが、尚志の選手層の厚さを物語っています。

このようにアンダー代表選手を多数擁し、初の日本一に向けて期待は非常に高まっています。

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