【選手権準々決勝】静岡学園が東福岡に0−0の末、PKで惜敗し無念の敗退

1月4日、第103回全国高校サッカー選手権の準々決勝が行われ、静岡県代表・静岡学園は福岡県代表・東福岡に0−0の末、PK戦で敗れ、無念の準々決勝敗退となりました。

第103回(2024年度)全国高校サッカー選手権 準々決勝

静岡学園 0―0 東福岡 (PK 4−5)

 得点:

静岡学園のスタメンは、3回戦から乾と篠塚に代えて神吉、佐々木が入り、配置も含めてかなり変えてきました。1トップに加藤が入り、左に原、右に神吉、インサイドに佐々木と天野、アンカーに堀川が入るという、県大会を含めても初めての布陣です。ディフェンスラインは3回戦と同じ顔ぶれとなりました。

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試合は予想通り静岡学園がボールを保持して攻め込み、東福岡が堅守からカウンターを狙う展開となります。

前半6分、鵜澤のフリーキックのこぼれ球に堀川がダイレクトシュートを放ちますが、東福岡DFががっちりとブロック。

前半16分には、右サイドを抜け出した野田が中央に折り返し、受けた加藤が神吉に落としますが天野と被り、得点とはなりません。

前半32分には、鵜澤がハーフェーライン手前から意表を付く股抜きで一気に中央に切り込み、相手を3人引きつけてから佐々木にパス。しかし佐々木のシュートは大きく左に外れます。フリーでいた右サイドの神吉に出していればというシーンでもありました。

結局前半は0−0のまま終了。静岡学園が押し気味に進めたものの、最後のところで東福岡の守備が堅いなという印象で、1点勝負の雰囲気が漂っていました。

後半は神吉、佐々木に代えて乾、篠塚を投入。3回戦のスタメンに戻して来ました。恐らく最初から予定通りで、後半ベストメンバーで勝負する作戦だったのだと思います。

後半2分には鵜澤の絶妙なパスに反応した加藤が、カットインから右足を振り抜きますが、ボールは大きく枠を外れます。

後半12分にも鵜澤の突破からシュートを放ちますが東福岡がきっちりとブロック。

後半18分には左サイドをフリーで抜け出した東福岡が、中央にクロスを入れますが岩田が読みを効かせてクリアします。

後半22分には岩田のフィードを東福岡ディフェンスがヘディングでクリアを試みますが、クリアしきれず後ろに反れたボールがゴール前に落ちるところを篠塚が狙いますが、惜しくも合わせられません。

後半38分、原の縦への差し込みから、乾が潰れ役となり、こぼれ球に反応した天野が左足を振り抜きますが、ボールはポスト右へ逸れます。

後半ロスタイム、篠塚の前線へのフィードに乾がポストに入り、胸トラップで斜め前に出したところを天野が反応して合わせますが、これもポスト左へ。

結局スコアレスのまま試合は終了し、PK戦に突入しました。

PK戦

個人的にPKは、野田、岩田、堀川はパーソナリティ的に決めてくれるイメージを持っていました。

1人目のキッカー・岩田は冷静に真ん中上に蹴り込むさすがのキックで成功。

2人目のキッカーは堀川で、左サイドネットのエグいコースに決めるキックで連続成功。正直この辺の鉄板キッカーの後に東福岡が外れてくれれば・・・と思っていましたが、きっちり決めてきます。

3人目のキッカーは天野。相手キーパーを飛ばせてからの逆サイドという圧巻のキックで難なく決めて見せます。対する東福岡も決めて3−3。

そして4人目のキッカーは野田。プロ入り後のホームスタジアムで放ったキックは無常にもゴール左上を外れ、痛恨の失敗となります。

東福岡の4人目はまたしてもエグいコースに決め、追い込まれた展開の中、5人目のキッカー・関戸がしっかりと決め、精神力の強さを見せます。

これで決まりと思われた東福岡の5人目、新貝のキックはゴール上に大きく外れ、土壇場で同点に。

九死に一生を得た静岡学園でしたが、6人目のキッカー・乾のキックも左上に外れ、またしても窮地に追い込まれます。

そして6人目の東福岡のキッカー・宇都宮がゴール右に沈め、万事休す。

静岡学園がPK戦の末敗れ、無念の準々決勝敗退となりました。

PK戦というのは本来五分五分なのですが、PK戦突入時点で個人的には正直「負けそう・・・」とう感情になってしまっていて、悪い予感は的中してしまいました。これは静岡県民の方であれば共有いただけると思うのですが、2019年度の静岡学園の優勝以来、県勢は5年連続でのPK戦敗退となってしまっているのです・・・。

来年以降はぜひ勝ち切る、勝負強い県勢の活躍を期待したいです。

総括

静岡学園が終始押していたとは言え、最後のところは東福岡がしっかりと締め、本当の意味での決定機はほとんどありませんでした。静岡学園はこの試合もゴール前で枠を捉え切れない課題が出てしまい、結果無得点となってしまいました。

後半開始時点でベストメンバーに入れ替え、神吉、佐々木をベンチに下げてしまっていたため、交代カードが実質なかったことも響きました。個人的にはこの日ベンチ外だった大木がいたら・・・と思いましたが、コンディション等の問題もあったのかもしれません。考えられた作戦としては、後半途中から疲れが見えた加藤に代えて、土田を入れて鵜澤を前に上げることで、今大会最も1対1における強さと怖さを見せていた選手をゴール前に近づけることでよりチャンスを作れていれば・・・とも思いましたが、たらればの話に意味はありません・・・。

この代の静岡学園は、野田が長期欠場だったこともあり、去年の神田、中村、高田のようなタレント力に欠けるという評価でした。しかしながらインハイ、選手権県大会を通じて選手の底上げがあり、本大会には主力の復帰も重なって非常に良いチームになったと思います。

大会を通じて静岡学園のサッカーの質の高さは随一だったと思いますし、負けたこの試合も含め、終始主導権を握ったことで、静岡県勢としての存在感は充分に見せることができたと思います。

今年も静岡県の高校サッカーを一生懸命応援していきたいと思います。

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