【公式記録(ベスト11他)】第96回(2017年)静岡県高校サッカー選手権 優勝:清水桜が丘高校

平成29(2017)年度 全国高校サッカー選手権 静岡県大会

 この年の優勝争いは、MF・渡井理己らを擁し新人大会、総体に続く県3冠を狙う静岡学園を筆頭に、県総体準優勝の浜松開誠館や藤枝東・藤枝明誠の藤枝勢、天才MF・白井海斗を擁する清水桜が丘らが絡むと予想される勢力図でした。

1回戦・準々決勝

 決勝トーナメント1回戦、前年度覇者の藤枝明誠が科学技術にPK戦の末敗れる波乱が起きます。同ブロックの第1シード・清水桜が丘は、富士市立を相手にMF・松下祐也、1年生FW・松永颯太のゴールで2-0と勝利し、科学技術―清水桜が丘の準々決勝となりました。試合は接戦の末、10番のMF・渡邉唯人のゴールを守り切った清水桜が丘が1-0と勝利し、準決勝に進出しました。

 同じく第1シードの一角、藤枝東は1回戦で飛龍に対し、後半23分にMF・田村祐二郎が先制。このまま試合終了すると思われた後半アディショナルタイム、飛龍は途中出場したエースFWの10番・斉木裕龍が、驚異的な打点の高さによるヘッドで劇的な同点ゴールを挙げ、試合は延長戦に。迎えた延長前半9分、途中出場の右サイドバック・平出海の決勝ヘッドで2-1と勝利し、辛くも準々決勝に進出します。

 県総体ベスト4の浜名は、1回戦で沼津西に対し、FW・伊藤綾介のハットトリックなどで5-1と圧勝し、藤枝東―浜名の準々決勝となりました。

 試合は藤枝東が右サイドの平尾拳士朗の突破を中心にペースを掴んだかに見えましたが、先制は浜名でした。前半18分、FWに入れたボールを拾った矢澤の豪快なシュートで先制します。対する藤枝東は後半17分、左サイドの10番・曽根大和のクロスにFW・井上燎哉が絶妙なコースにヘディングシュートを決め、同点に追いつきます。試合は1-1のまま延長戦に突入し、延長前半5分、浜名の鹿島のシュートがハンドを誘って得たPKを、主将のMF・染葉達希がきっちりと沈め、浜名が準決勝に進出しました。

 反対のブロックでは、静岡学園が決勝トーナメント1回戦で聖隷クリストファーに対し3-0で快勝。磐田東との準々決勝は、先制を許すもエース・渡井理己が自ら得たPKを得て同点に追いつくとMF・河口雄太のゴールで逆転し、2-1で準決勝に進出します。

 もう1つの準々決勝、浜松開誠館―清水東の一戦は、清水東が押し込む展開でしたが、互いにゴールを許さず、後半終了間際、浜松開誠館のMF・岡島温希が劇的なドリブルシュートで1-0と勝利し、準決勝に駒を進めました。

準決勝

2017.11.12 エコパスタジアム

清水桜が丘 3−1 浜名

得点者:(清)渡邊、白井2

    (浜)沢上

 清水桜が丘は前半31分、右サイドのMF・大石竜聖のアーリークロスにMF・渡邉唯人がダイレクトボレーで合わせて先制します。さらに直後の35分、エース・白井が自ら得たPKを決めて2-0と突き放します。

 対する浜名は後半21分、MF・染葉達希のパスを沢上が押し込んで1点差に詰め寄りますが、清水桜が丘は34分、ロングスローのこぼれ球をまたしても白井が決め、3-1で勝利した清水桜が丘が2年ぶりに決勝に進出しました。

静岡学園 1−0 浜松開誠館

得点者:(静)塩浜

 試合は攻守の入れ替わりが激しい接戦となりました。静岡学園は渡井理己、伊藤稜馬の強力な両サイドを中心に打開を試みますが、浜松開誠館もハードな守備とGK・青嶋佑弥の好守などによりゴールを割らせず、カウンターで反撃を狙います。

 どちらも譲らずスコアレスのまま延長戦に突入し、PK戦もちらつき始めた延長後半8分、静岡学園の清水のシュートのこぼれ球をトラップしたFW・塩浜遼が、豪快な右足ボレー。1-0で静岡学園が3年ぶりの決勝に進出しました。

決勝

2017.11.18 エコパスタジアム

清水桜が丘 1−1(PK4−3)  静岡学園

得点者:(清)松永

    (静)渡井理

 それぞれ白井海斗と渡井理己という絶対的エースを擁する清水桜が丘―静岡学園の決勝は、前半30分に試合が動きます。静岡学園の渡井がハーフェーラインから中央突破を開始し、5人を抜いて決める県選手権史上に残るゴラッソで先制します。

 対する清水桜が丘は前半終了間際、左サイドを抜け出したMF・松下祐也のシュートを、静岡学園のGK・高野由比人がはじいたところに絶妙なポジションに詰めていた1年生FW・松永颯太が押し込み、同点に追いつきます。

 後半は静岡学園がボールを握り攻め込むも、桜が丘が激しい寄せでゴールを許しません。延長戦でも決着は付かず、PK戦を4-3と制した清水桜が丘が、2013年の学校統合後初の県制覇を果たしました。 

全国高校サッカー選手権 

 全国大会での清水桜が丘は、エース・白井海斗ら主力複数人がケガを抱える中で山口県代表・高川学園との1回戦を迎えます。

 試合は前半を0-0で終えると、後半8分から白井がケガをおして強行出場します。

 攻めながらも得点を奪えない展開が続くと、後半35分、連携ミスから失点を喫します。直後の38分に右サイドの山田のクロスに松下が合わせ、同点に追いつきますが、勝ち越し点は奪えずそのまま試合は終了し、勝負はPK戦に。

 コンディション不良が明らかな白井が外し、無念の初戦敗退となりましたが、大滝監督は「エースがけがをして、エースが外して負けた。最高の試合ではないかな。」と全幅の信頼を寄せるエースとイレブンをねぎらいました。

第96回全国高校サッカー選手権結果 外部リンク:日本サッカー協会HP

第96回全国高等学校サッカー選手権大会

平成29(2017)年度 静岡県高校サッカー選手権結果

優 勝

 清水桜が丘

準優勝

 静岡学園

ベスト4

 浜名、浜松開誠館

ベスト8

 藤枝東、科学技術、磐田東、清水東

全国高校サッカー選手権結果

 1回戦敗退

大会優秀選手(ベストイレブン)

GK

 高野由比人(静岡学園・3年)

DF

 高岡 廉(浜松開誠館・3年)

 江口正太郎(静岡学園・2年)

MF

 染葉達希(浜名・3年)

 築地健人(清水桜が丘・2年)

 白井海斗(清水桜が丘・3年)

 松下祐也(清水桜が丘・3年)

 清水綾馬(静岡学園・2年)

FW

 松永颯太(清水桜が丘・1年)

 伊藤稜馬(静岡学園・3年)

 渡井理己(静岡学園・3年)

その他の優秀選手・チーム

優秀GK

 真杉雛多(清水桜が丘・3年)

優秀DF

 渡井夏望(静岡学園・3年)

最優秀新人

 松永颯太(清水桜が丘・1年)

フェアプレー賞

 清水桜が丘

表彰(MVP・得点王)

MVP

 白井海斗(清水桜が丘・3年)

得点王

 伊藤綾介(浜名・3年) 3点

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