12月29日、第103回全国高校サッカー選手権の1回戦が行われ、静岡県代表・静岡学園は広島県代表・広島国際学院に2−0で勝利し、2回戦進出を決めました。
第103回(2024年度)全国高校サッカー選手権 1回戦
静岡学園 2―0 広島国際学院
得点:(静)篠塚(なし)、乾(鵜澤)
静岡学園のスタメンは、基本的に県大会決勝と同じメンバー。右ウイングに、神吉に代わって2年生の長身レフティ・佐々木雄基が入りました。県選抜の加藤佑基、県大会で素晴らしい活躍を見せていた神吉らを抑えてスタメンに入ったことから、かなり調子を上げているのだと思います。
県大会を欠場した川崎フロンターレ内定のキャプテン・野田裕人、左サイドの鵜澤浬といった本来の主力もケガから復帰してベンチ入りし、選手層は確実に厚くなった印象です。
試合は予想通り序盤から、静岡学園がボールを保持して相手陣内に押し込む展開となります。
前半8分、左ウイングの原星也がスピードを活かして縦突破し、三笘選手ばりの右足アウトサイドパスを送り込むと、走り込んだセンターフォワード・乾がシュートを放ちますが、広島国際学院のGK・加藤がタイミング良く前に出てブロックします。1分後には、コーナーキックの流れからのクロスに対し長身の佐々木がヘディングで合わせますが、タイミングが合わずボールは枠外に。
前半16分には左サイドで原が一瞬のスピードで相手をかわし、ゴール前の乾に絶妙なパスを届けますがシュートはポストを叩き、なかなか決められない嫌なムードが漂い始めます。しかしその直後、ゴールをこじ開けたのは2年生MF・篠塚でした。
右サイドの佐々木が中央の位置でクサビのパスを受けると、前方の篠塚にチップキックパス。大きめの胸トラップでそのままゴール前に走り込むと、ディフェンス3人の間を割って入り、右足でシュート。相手キーパーの加藤が弾きますが、抜け目なく詰めてこぼれ球を押し込み、先制ゴールを挙げます。県大会でも3試合連続で先制点を挙げた篠塚の得点感覚が存分に発揮されたゴールでした。
2点目を狙う静岡学園はその後も押し続けますが、追加点は奪えず。1−0で前半を終了しました。
静岡学園は後半開始直後から、佐々木に代えてケガから復帰した鵜澤浬を投入。鵜澤が左ウイングに入り、原が右ウイングにポジションチェンジしました。前半同様、静岡学園がボールを保持しますが、広島国際学院も徐々に慣れてきて対応し、決定機まで至らない時間帯が続きます。
そして試合が動いたのは後半25分でした。左サイドバックの土田から前方の鵜澤へ絶妙なフィードが入ると、鵜澤はダイレクトでゴール前の乾に絶妙なグラウンダークロスを入れます。これを乾がトラップから冷静に流し込み、待望の追加点。この試合再三の決定機を決められずにいた乾が、遂にゴールをこじ開けました。
後半27分には両サイドバックの土田、望月に代えて、ケガから復帰のキャプテン・野田とMF・加藤を投入。野田が右サイドバック、加藤は左ウイングに入り、鵜澤が左サイドバックにポジションチェンジします。
その後は落ち着いた試合運びで静岡学園が締めくくり、試合終了。PK戦で負けた去年の選手権の雪辱を果たす形で、静岡学園が2−0と勝利し、2回戦進出を決めました。
試合を通じて、テクニックに勝る静岡学園が終始ボールを保持して押し込む理想の展開での勝利になりましたが、広島国際学院のGK・加藤選手の好守があったとは言え決定力という意味では次戦以降の課題として残ったのかなと思います。戦力的には、野田、鵜澤といった主力の復帰も大きく、交代メンバーも先発と全く遜色ない陣容が揃い、県大会の時よりも確実に強くなっている印象です。
次戦は12月31日(試合開始:12時5分)に、高知県代表・高知高校と対戦します。
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